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指導者の狭間

 いわゆる強豪校ではない見慣れないユニフォームの学校がリレーの決勝で先頭を争ったりする。そんな場合は決まって、近年その学校に若い指導者が赴任してきているケースだ。



 陸上競技は天性によるところが大きい競技だが、それでも結局のところ、中学や高校の陸上は指導者によるところが大きい。

 ところがすべての学校にきちんとした指導者がいるわけではない。

学区制が緩和された近年でも、基本的に選手は指導者を選ぶことはできない。「運」だけでは片付けてもらいたくない悲しい実情だ。



 私の通っていた高校は当時陸上の指導者が不在だった。

学区制の厳しい時代だったから、他の高校に行くという選択肢も私は持ち合わせていなかった。

 中学時代は無名に近かった私が、そんな中で一人、工夫・努力し、インターハイに入賞したことが、私にとっての大きな自信であり、そしてそれが現在の私を支える大きな礎となっている。

 そんな私だから陸上競技に対する思いや、考え方、自分自身をサンプルとする指導力には絶大な自信を持っている。

 残念なのはそれを発揮する場がないことだ。



 話し戻って、私の高校には私以外に素質のある選手が何人も揃っていた。事実、中学時代の私は彼らよりも遅い選手だった。結局、彼らは指導者不在の弱小陸上部の結果、消えていった選手達である。

 自負ではあるが、私のような選手は基本的にいない。

そしてそんな指導者の狭間に埋もれてしまうような選手をつくってはいけないのだ。



 そんな中、熱心に他校の生徒の面倒もみている若い先生がいる。

移動になって現場を離れても、変わらず元の生徒のために競技場に足を運ぶ指導者がいる。

他の高校に転勤になった先生を今でも慕ってたずねてくる生徒がいる。



もうすぐ高校総体。

どうしてもそんな学校の選手を応援してしまうのは当然のことだ。

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