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世界標準 その2

 今年から高校・中学の投擲(とうてき)競技の規格が変更になった。世界ジュニアや世界ユース選手権が開催されるようになった近年。IAAFのジュニア、ユース規格を意識した変更であると思われる。海外で通用する競技レベルの向上の為に、かつ競技の普及のためにも、国内ルールを世界標準に合わせることは望ましいであろう。しかしながら、今回のルール改正を含め、国内の規格は国際的に見ておかしな点が多々見受けられる。



 参考に、世界(IAAF)と米国(USA)と日本の規格を表にまとめてみた。国際的には年度ではなく年でカテゴリー分けされるので、日本の学年とは必ずしも一致しないが、ジュニアは高3、大1、ユースは高1、高2にほぼ該当する。米国では2歳刻みに分類分けされ、バンタムクラスという10歳以下のカテゴリーもルール化されているのであわせて比較してみた。



種目(男子)ShotPut
砲丸投(kg)
DiscusThrow
円盤投(kg)
HammerThrow
ハンマー投(kg)
JavelinThrow
やり投(g)
スプリントハードル
高さ(cm)
( )内は距離 無記入は110m
カテゴリー
年齢
日本
IAAF
USA
日本
IAAF
USA
日本
IAAF
USA
日本
IAAF
USA
日本
IAAF
USA
日本
IAAF
USA
一般
シニア
OpenClass
20
7.26
7.26
7.26
7.26
2
2
2
7.26
7.26
7.26
7.26
800
800
800
106.7
106.7
106.7
大1
ジュニア
Colledge
19
7.26
7.26
6
7.26
2
1.75
2
7.26
7.26
6
7.26
800
800
800
106.7
99.0
106.7
高3
ジュニア
Young
18
5.45
6
6
5.45
1.5
1.75
1.6
6.36
6
6
5.45
800
800
800
106.7
99.0
91.4
高2
ユース
17
5.45
6
5
5.45
1.5
1.5
1.6
6.36
6
5
5.45
800
700
800
106.7
91.4
91.4
高1
ユース
Intermediate
16
5.45
6
5
5.45
1.5
1.5
1.6
6.36
6
5
5.45
800
700
800
106.7
91.4
91.4
中3
-
15
4
5(4)
-
5.45
1
-
1.6
-
-
-
5.45
-
-
600
91.4
-
91.4
中2
-
Youth
14
4
5(4)
-
4
1
-
1
-
-
-
-
-
-
600
91.4
-
84.0(100)
中1
-
13
4
5(4)
-
4
1
-
1
-
-
-
-
-
-
-
91.4
-
84.0(100)
小6
-
Midget
12
-
-
-
2.72
-
-
1
-
-
-
-
-
-
-
70.0(80)
-
76.2(80)
小5
-
11
-
-
-
2.72
-
-
1
-
-
-
-
-
-
-
70.0(80)
-
76.2(80)
小4
-
Bantam
10
-
-
-
2.72
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
70.0(80)
-
-


 表中のピンク色の部分は、日本の規格の方が海外の規格よりも重量が重い。ハードルの高さが高い、距離が長いという種目だ。日本人は外国選手よりも体格面で劣ると言われているにもかかわらず、海外のルールよりも高いレベルの規格が採用されている。(表にはないが他のハードル、投擲、混成競技、女子でも同様の傾向がある。)



 特に着目して欲しいのは、日本では3学年で同じ規格をもちいるため、高1と高3、中1と中3が同じ規格で競技しないといけないという点だ。(その点、米国の2歳刻みというルールはとても理に適っているように思う)国際的に見て日本の高1、中1の学年での現行ルールには無理があると言わざるを得ない。



 規格を考える場合、中学生、高校生のルールを1年生に合わせるべきか3年生に合わせるべきかという課題が生じるであろう。その場合、規格は1年生に合わせるべきだ。なぜなら普及面から、少しでも低レベルな規格で競技できる方が望ましいからだ。3年生の競技者が窮屈になり、将来的な面で問題があるという考えが主流なのではあろうが、それはごく一部のトップレベルの話。それとて下のクラスから上のクラスに参加することは容易にできるので問題はないはずだ。

 実際、私はジュニアハードル世代のハードラーだが、ハイハードルは国体(少年A)や県選手権等で出場できたので、窮屈どころか逆に2つの目標を設定することが出来、競技面でプラスになったと実感している。



 また実際、私をはじめ110ハードルの経験者は「高校生はジュニアハードルであるべき」と皆が口を揃える。ハードル王国アメリカの高校生がミドルハードルを跳んでいるのに、15歳のハイハードル、12歳の110mハードルは間違いなく無理がある。規格が変わってハードル選手が激減したことも事実であるし、どう考えてもおかしな規格だ。ハードルや投擲の日本のレベルが他の種目に比べて低いということは体格面だけのことだろうか。

 ハンマー投げの重量を軽く改正するという思い切った改正をしたのだから、それならすべての種目に対して、国際規格に適合する措置をとってもらいたかった。競技の普及の為に、更なる改正が望まれるところだ。



 また中学の砲丸投げが5キロに改正されたにも関わらず、四種競技の砲丸投げは4キロのままというのもおかしなルールだ。四種競技の参加者が減るからという理由らしいが、これも重さが国際的な4キロのままならば、ハナからこんなアンバランスなことは発生しない。



 ほとんどの参加者がインターバルを3歩で走れない中学生の110Hを、いつも嘆きながら観ている。3歩のリズムを刻めてこそハードルという競技であり、そのリズムを体感できない中学生が多いという現実はとても悲しいことである。

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