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陸上競技場考2 (民衆よ立ち上がれ!)

 運動会を否定するつもりはない。むしろ各地で市民運動会が廃止されている現実を悲しく思っている私は一人だ。また陸上競技はもっと運動会的に楽しくならなければならないと考えている。決して堅苦しいものを求めているわけではない。

 でも、運動会と競技会は違う。「陸上競技会」と銘を打つ以上、それは運動会ではなく競技会でなければならない。その違いは、公なルールに則っているか否かであり、ルールに則らない競技会は、競技会と呼べない、本来、あってはならないものだ。



 中学校の陸上競技は、学校の先生が前の日に運動場に書いた、1周200mのトラックを走るものだと思っていた。直線競技以外はすべてオープンコースだったり、リレーの1走はスパイク禁止だったり、土のサークルで砲丸を投げたりすることは、中学生の私には何の疑問でもなかった。

 風速を測っていないことや、そうして測られた自分の記録が、県のランキングの対象にならないことすら、中学生の私には知る術も無かった。

 測り間違えたトラックが6m短かくて好記録が続出したり、幅1mのレーンからハードルがはみ出てたり、スコップで掘った穴が棒高のボックスだったり、そんなこと当たり前だと思っていた。

だって、それしか知らないんだから。それが僕らの「陸上競技」だったのだから。



 疑問を感じるようになったのは大学で東京に出てから、自分のような環境で競技してきた奴なんて周りにいないと知ってからだ。学校に全天候ピットがあったり、すぐ裏手に競技場があったり、そうした環境で当たり前のように全天候の400トラックで試合していた奴等の話を聞くまで、それは普通のことだったのだ。

 同時に粗末な環境で育った選手で、大学でも競技を続けるようなレベルの選手は少ないという、それは裏づけでもある。もちろんそればかりではダメだが、人を育てる上で環境は大切だ。



 20年以上経った今でも、短距離種目は電気計時でないと日本記録として認められなくなった今でも、私の育った地域の「競技会」は何ら変化を見せることなく、変わらぬままの姿で開催されている。

 本当に100mあるの? トラックは20cm外を測るの知ってるの? ハンドウォッチなら3人で測らないといけないんだよ。1/100の計時の端数は全部繰り上げるんだよ。

 誰も疑問を感じたり、異議を唱えたりしない。だって、それが当たり前なんだから・・・



 陸上競技が他のスポーツと大きく違うのは「自分の記録が世界と比較できる」ということだ。

自分の100mの記録が世界記録9秒77と何秒違うか簡単に計算できる。そして、それを証明することができる。記録証や賞状や、新聞の記事。それが陸上競技の大きな楽しさの一つである。



 それを正当に評価してもらえない、私の地元の子供たちはとても不幸であると思う。

通信陸上で、学校の代表になれず、県大会の予選で選出されない生徒は、たった一度たりとも「公認記録」を得ることなく、彼らの中学の陸上競技を終えてしまうのだ。

こんなことが許されていいのか?

 標準記録のある大会の参加資格には当然、対象とならない。幅跳びで女の子が5m跳んだとしても、それはその地域でのみ通用する話で、一歩外に出れば何の価値もないのだ。それをわかってるのか?

 記録のことだけじゃない、ブロックの付け方も知らない、コールの受け方も知らない、

何も知らない。そんなのでいいのか? せっかく興味を持ってはじめた「陸上競技」なのに。



 別に全天候の400トラックなどという高望みをしているわけではない。

せめて、トラックは400mなくてもいい、土のトラックでいい。

せめて、誰もが陸上競技場と呼べるレベルの場所で、競技させてあげたい。

そして、彼らの記録が、きちんと県のランキングに掲載されるように。

それは、決して贅沢なことではなく、通常彼らが得ることが出来る当然の権利なのだ。

 地元に場所がなければ、十分日帰りできる距離なんだから、他の地域にある競技場まで出かければいい。(大阪では全7地区の中学の大会がわずか3箇所の会場で開催されている。)

そうしている地域もあるのだから、そして、そうした不自由さを感じてこそ、地元に競技場が必要だという地域の流れにつながるのだ。



 私も含め、和歌山の人はおとなしい。

でも、やはり立ち上がらなければならない。

自分たちの当然の権利を勝ち取るためには。

そして、それは私のように外野の人間ではなく、その地域に住み、地域の学校に通っているその子供たちや父兄がこうした事実をしっかり認識し、その上で、自治体や地域協会に対して、きちんとした形で訴えかけることが、地域の子供たちの当然の権利を得るために必要なのだ。

 もっと知らなければならない。当たり前のようにほとんどの自治体にトラックがある沖縄や

公認の全天候トラックをもつ中学校の存在や、和歌山よりも人口の少ない県の方が、よっぽど公認競技場の多いという事実を。自分たちの置かれている環境が最悪なのだという真実を。



 私にできることは、こうして教えてあげることぐらいだろうか・・・

でも、今でも、私の生まれ育った地域に、その陸上競技のために。

何か寄与できればといつも考えている。

それが「知ってしまった者」の使命なのだろう。

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